いつもより一日早いですが，今日２月２日は節分。まだまだ寒い日が続きますが，明日は立春。暦の上では春になります。
今日はお家に帰ったら，「豆まきをするよ。」っていう人もいるかな。鬼のお面をかぶって，鬼の役をする人もいるかもしれないね。長谷川先生は，赤鬼になるそうですよ。
　さて，鬼と言えば，去年あたりから「鬼滅の刃」がすごく流行っていますが，主人公の炭治郎たちが戦っている鬼は，みんながよく知っている鬼とはちょっと違いますよね。昔話の桃太郎に出てくる鬼ヶ島の鬼たちは，頭に角が生えていて，トラのパンツをはき，金棒を持っています。でも鬼滅の鬼は，全て元人間です。
　アニメの第８話では，キブツジムザンによって，鬼にされてしまった人を押さえ込んだタンジロウが，「この人に誰も殺させたくないんだ。」と叫びます。そこに鬼になってしまってもキブツジムザンに逆らっている医師のタマヨが現れ，「あなたは鬼になってしまった者にも，人という言葉を使ってくださるのですね。」と語り，助けてくれることになります。
　相手を鬼とみるか，人と見るかは，見る側によって変わるんですね。
　昔から私たち日本人は，鬼を信じていましたが，自分たちとは違う人間を鬼にすることで，敵にしていたのかもしれません。大昔の日本では，王様に逆らう人は鬼にされました。奈良時代や平安時代には，東北地方に住んでいる私たちのような人は，蝦夷という鬼にされ，人間として扱われませんでした。江戸時代の終わりごろ日本に来たアメリカ人のことは赤鬼と呼んでいました。また，日本が世界中を敵にして戦争をしていたころ，外国人はみんな鬼でした。鬼だから殺してもかまわないと言われていたのです。なんとなく，鬼滅の刃と似ていませんか。
　私たちは，自分と違っている人が苦手です。そして，苦手な人のことをこわいなあとかいやだなあと思ってしまいます。分かりますか。それが鬼です。鬼だから意地悪したっていいんです。鬼だから仲間外れにしたって，悪口をいくら言ったっていいんです。だって，鬼なんですから。私たち日本人は，２千年も前からこうやって鬼をつくってきました。でも，あなたがちょっと見方を変えれば，鬼はすぐに消えてしまいます。
　さあ，あなたもカマドタンジロウになりましょう。あなたのまわりのキブツジムザンをあなたの鬼滅の刃でやっつけてください。
　みんなちがって，みんないい。そうすれば，鬼はいなくなります。