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10/29 熊の2歳児問題?_雑感12

 昨日,学校周辺で2件の熊目撃情報がありました。朝は田圃に残された足跡だけでしたが,夕方は,民家の庭先で目撃されていることから,現在も付近一帯に潜んでいることが考えられます。学校では,警察や教育委員会と連携しながら,見回り・警戒活動を行うと共に,外での活動の際には,できるだけ見張り要員を配置するなど,通常の学習活動ができるように努力しているところです。
 環境省による全国のツキノワグマとヒグマの有害捕獲数は、17年は3952頭、18年は3586頭、19年は過去最高の6285頭。今年は8月時点で既に3207頭に上り、増加傾向が続いているとのことです。
 日本ツキノワグマ研究所の米田一彦氏(72)によると「今年は、2歳になるクマが多い。人を恐れない世間知らずの子熊が、人里に現れ走り回る“2歳児問題”が起きやすくなるだろう。」と推測。17年は餌となる木の実が暖冬のため豊作で繁殖が進み、18年生まれのクマの数が増えていたということです。
 大崎消防署の方から聞いたところでは,熊が人里に出てくるのは里山の荒廃が関係しているとのこと。田圃が休耕田になると,灌木が茂りやがて里山と人家の間が茂みになっていくため,熊が人家の周りに出てくる環境ができてしまうといいます。耕作放棄地や間伐の行き届かない里山が増えることで,人と熊の隔てる緩衝地帯がなくなり,人間の生活範囲に熊が出て来てしまうということなのでしょう。また,栗が豊作の年は,ドングリが不作になるとのこと。今年は全国的に栗が豊作のようで,ちょっと心配です。
 市役所の有害鳥獣の担当部署に問い合わせたところ,熊は準絶滅危惧種なので直接的な被害がなければ駆除などはできないとのこと。つまり,私たちにできることは,精一杯辺りに気を付けながら,精一杯の自己防衛をしていくしかないということです。クマさんに出遭わないこと,一日も早く山に帰ってもらうことを願いながら,警戒して外を歩きたいと思います。

※ツキノワグマの生態
 成獣で体長120~145センチ。体重は60~100キロ前後、雄の方が大きい。嗅覚は犬並み、視覚は人並み以上に優れている。聴覚は高音に敏感で低音に鈍感。走るスピードが速く短期間ならば、時速50キロ程度で走ることができる。爪のたつ物であれば垂直の壁も上ることができる。性成熟は、雄で2~4歳、雌で4歳とされている。ドングリや堅い木の実、昆虫類などを食べ、基本的に肉食も植物食もできる雑食。蜂蜜などの甘い物も大好き。